ホテルサードという名前には、どこか控えめでありながら、確信めいた響きがある。今日、私はそこで小さな休憩をとった。入り口は少しだけわかりづらくて、まるで誰かの秘密をこっそり預かる場所みたいだった。
部屋は、ちょうどいい整い方をしていた。無駄がなくて、でも殺風景ではない。クロスの柄が静かに主張していて、壁が私に話しかけてくるような気さえした。空間の清潔さに安心し、窓の外のことをしばし忘れる。ベッドに腰を下ろしながら「こういう場所があってくれて助かる」と素直に思った。
料金は、2時間で一律。わかりやすくて、親切で、そしてなによりお財布に優しい。友人が「安定してるし、クレジットも使える」と言っていたけれど、その通りだった。私が時間を少し過ごしすぎたのは――ほんの5分。でもその5分の代償に1500円が追加された。それを高いと感じるか、当然と受け取るかは、そこで過ごした時間の密度による。私は、楽しんだ。だからしかたがない。
部屋の広さは控えめ。でも必要なものはちゃんとそろっている。だから、ちいさな宇宙のように感じられる。ホテルサードは、私にとって「用があるから」ではなく、「そこにいたいから」立ち寄る場所かもしれない。これからも、ふと思い出したように立ち寄るだろう。ちょっと疲れた日や、ひとりになりたい午後に、あの整った静けさを借りに行くのだ。