日本のサグラダ・ファミリアと呼ばれる(私が勝手に呼んでいる)新宿駅。何十年経っても工事が終わらない、永遠の建造物です。
そんな新宿駅は、広大で複雑なため「ダンジョン」とも呼ばれているようです。ダンジョンとは、ゲームの中に登場する迷宮を意味し、財宝が隠されていたり、ボスキャラが配置されるような場所のことです。私はゲームに疎いため詳しいことはわかりかねますが、これくらい迷宮感のある場所としての揶揄(皮肉)で新宿駅=ダンジョンと呼ばれているとのこと。
確かに私が上京してきた時、まず洗礼を浴びたのは新宿駅でした。目的の出口がどこにあるかわからず、半泣きになりながら駅構内をさまよい歩いたり、違う改札から出ようとしてしまい、いきなり「ピンポーン」が鳴り響き通過できずにうろたえたり、辛く苦い経験を何度もしてきました。
ようやくスムーズに利用できるようになったのは成人してからです。
そんな新宿駅ですが、現在も工事中の箇所が多く、各ポイントには警備員さんが立っています。そして、スピーカーを使って注意喚起のアナウンスを延々と繰り返しています。
日本一の乗降者数を誇る駅ですから、行き交う人々の数も計り知れません。そんな中、工事の影響によるトラブルが起こっては一大事です。それを未然に防ぐためにも、警備員さんの存在は大切です。
しかしながら、毎日毎日何時間も同じ言葉を繰り返し発しているためか、最近アナウンスの仕方にだいぶクセが出てきた警備員さんがいらっしゃいます。
「ゴツーコチュー、ノ、ミナサァニワァー、タイッヘン!ゴメーワクォ、オカェシティッ、オリヤス」
「アシモトガァー、タイッヘンッ!テマクナッテイルカショガーッ!ゴザイッ、ヤス」
「ミナサァー、ジューブンッ!ゴチュー、イノウェー、ゴツーコー、ヲッ、オネッガィー、イタシヤス」
このように、イントネーションや間の空け方が大変独特かつ個性的で、ウケ狙いなのではと思うほどクセ強なアナウンスです。以前からずっとお見かけしていた方ですが、最初はもっと普通でした。徐々にこのアナウンスになっていっているようです。
私は、あまりにも面白くて思わず吹き出してしまいました。
まるで何かのキャラクターのようだ、とも思いました。
その瞬間、ハッとしました。
そうか、ここはダンジョンなんだ。
この警備員さんは新宿ダンジョンの名物キャラクターだ。
あっ、今、その警備員さんに向かって話しかけてる人がいる!
【みちを たずねて いるようだ】
そう、これはまさにロールプレイングゲームの世界です(やったことはないですが)。
私はそんなことを妄想しながら、工事中の床を守る黒いゴムシートが貼られた床を歩き、黄色と黒のラインがシマシマ模様になった工事テープを横目に、ダンジョン感が増した駅構内を足早に通り過ぎました。
やっぱり何十年経っても、新宿駅は興味深いです。
本日は13:30-18:30の出勤予定です。
☆千里/ちさと☆