少し酔っ払って、近所のあまり通らない道を散歩しながら帰路の途中。狭い路地が多く、自宅からそこまで離れてもいないのに、どこがどこと繋がっているのかいまいち把握できていませんでした。
よくわからないまま家と家が密集した住宅街を抜けると、春らしいピンク色の提灯が並んだ神社に辿り着きました。
「あ、この神社があるとこか。久々に来たから分からなかった」
こぢんまりとしたこの神社には、参道へ入るための表口と、そのまま商店街まで抜ける裏道があります。
参道には、樹齢何百年だろうと思うほどの真っ直ぐに伸びた巨木が立ち並び、さらには趣のある桜の木が何本も連なることで並木道のようになっています。
ちょうどこの季節は、参道を照らす暖かな光に包まれた桜の花が見事に幻想的な雰囲気を醸し出しています。
こんなに綺麗な場所なのに、人は誰もいません。
静かです。
かすかに聞こえるのは、木々のささやきでしょうか。
春めいた提灯の明かりと、桜を照らす暖かな電球の光。
まるで幻想の世界に迷い込んでしまったかのようです。
私は美しい桜に見惚れながら、神社を抜ける裏道へと歩き出しました。
この裏道は、お墓と隣り合わせのとても狭い道です。
昔はそこを通るのが怖かったのですが、今はまだ幻想の中。
ここで立ち止まって後ろを振り返ったら、きっと桜の参道では妖怪達が宴の真っ最中かもしれません。
そんな情景を思い描きながら、私の短い幻想の旅は終わりを告げました。
裏道を抜けるとそこはいつもの商店街。
人々が足早に行き交っています。
「戻ってきたよ。ただいま」
そう呟いた私は、春の夜風に吹かれながら家路に着きました。
本日は13:30-18:30の出勤予定です。
よろしくお願いいたします♪
☆千里/ちさと☆